3 敵の補給艦を叩け!
今回はとにかく「ブライトの回」でしたね。ブライトがいかにヘボか、ザコか、若いか、経験がないか、ぼっちゃんか。その描写がこれでもかとなされていく。
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もうここからして全然わからない。ホワイトベース内の民間人にあれこれ対応しているセイラをわざわざ呼びつけ、エレベータートークでのブライトの第一声がこれ。出身地をたずねるwww デリカシーなさすぎる。
そんなことも知らないのにセイラを搭乗させてるのか?連邦やばくないか。(実際セイラはシャアの妹なのだが)
......怪しいと思ってるから探りを入れてるのか?
そして「答える必要あるのかしら」「地球です」とセイラ。それに対して「宇宙に出たのはじめてなんですよ」とブライト。「エリートですのね」とセイラが返し、「皮肉ですか?」とブライト。たった数ターンで嫌われてるのすごい。
地球出身者だと言うと少し心を許すブライトにこの世界の根深いスペースノイド差別が垣間見える。
ブライトがエリートのおぼっちゃんっていう描写が今回は多い。
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後世からすると、アムロ・レイ=天才パイロットというイメージだが、第1話やここでの機械いじりなどを見ていてもわかるとおり、「過集中してばかりの臭いオタク」である。 機械が大好きでそうなると食事も着替えも忘れて熱中してしまう。食事を2回抜いても平気。
ガンダムは何より「オタクくんが実際最強なんだぜ」というプロパガンダアニメだったりする。
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もうとにかく今回の功労者はミライ・ヤシマすぎる。シャアが攻撃してこない=武器がないのでは?ムサイは補給艦では?という鋭い読み。対するブライトは「こちらの戦艦の性能が読めないからだろう」「逆に武器不足と思わせてるだけかもしれない」「補給艦ではなく巡洋艦だったら?」とぜんぶ予想を外している。それに対し「それもある(その可能性もある)けど」と相手を否定せずに自己主張はしっかりするミライさんがかっこよすぎる。そしてブライトがダメダメすぎるw https://gyazo.com/3e7732c684148608cea207a94497cc08
セイラも頼りないブライトに対して意地悪。「艦長さんに聞いてみたら?」。「そういう言い方やめてほしいものだな」と威勢よく言うものの、この後どうするかというと、ブライトはなんと「ハヤトくんどうかな?」とハヤトに聞く(笑)。ハヤトってたまたまホワイトベースを手伝ってるだけの、アムロと同年代のただの子どもですよ。
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前回2 ガンダム破壊命令でもそうだったが、とにかくブライトは威圧的な喋り方をする割に、とにかく責任回避が癖になってる。 ここでの多数決の見せ方もすごい。まず「ルナツーに逃げ込む」を選んだものは5票。では「先にこちらから攻撃をしかける」を選んだものはというと、これも5票。で、その後に、カツレツキッカの3人が手をあげているシーンを見せる。 https://gyazo.com/13ac92917417bc4e93966588caf6d93f
これがうまい。戦闘員が5人、手をあげさせて、そのあと、アムロは手をあげてないシーンをうつし、子供達三人は「戦うべき」に投票。子どもたちのほうがブライトなんかよりよっぽどしっかりしてる=ブライトは全然ダメダメって描写になってるし、「一体どっちにするの?」というサスペンス効果も非常に上手く使ってる。数だけで言えば、子どもら三人の票数分、「戦う」が多いことになるのだが、子どもたちなので「数には数えない」ので。
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で、ここでミライの1票が入るので、「あ、戦うことになった」と視聴者は気づくのだけど、ブライトはまだ結果を知らないって描写になってる。ここもうまい。
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で、ブライトが見ると、後ろ向きでセイラが「戦う」に挙手してる。
思わずブライトはセイラを睨むのだが、 ブライトには見えないだけで、ブライトの補佐をしてくれてるミライが先に「戦う」に1票入れてるんだよね。
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で、多数派だとわかってから、カイ、ブライト、アムロが手をあげると(笑)。
カイはまだ「かっこわりいな」「あ、あげとかないといけないかな」と後ろめたそうにしているが、ブライトやアムロは凛々しい後出し挙手wwww
要するにホワイトベースは「女子ども」の決定で生き残ったという描写なんだよね。それに比べて男はゴミすぎ!っていう。子どものほうが先に主体的に自分の決定をしているのにね。
あと、これ、もう強さと強さの戦いなんじゃなくて、弱さと弱さの戦いなんだよね。そこが圧倒的にセンスいい。
ホワイトベースはパウロ艦長が負傷してほとんど意思決定できない。艦内は民間人だらけで、パイロットもアムロとリュウ(研修受けたことある程度)しかいない。他は子どもたちばっか。ブライトはろくに決定できないゴミ艦長代理.....って感じ。
じゃあ、対するシャアは強大かというと、まず武器がない。モビルスーツもない。ザクを3体補給頼んだが、送られてきたのは2体、それもボロボロの補給艦でなので、国として体力がほぼほぼない。
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ここのアムロのバトルセンスのよさの描写も見事。逆光で戦うことの不利に、素人なのに気づくアムロと、軍人なのに気づかないリュウ。
リュウは気づかないだけではなく「気づいてない」ことに、数ターンの会話のやりとり後、ようやく気づく。
あと、リュウのコアファイターが邪魔で攻撃できないという描写が。さらに無線で連絡しようとしてもつながらない。とことんリュウはセンスがないという描写になってる。
あとこれも細かいところだけど、アムロがムサイに何のためらいもなく爆撃するんだよね。前回はあれだけためらったのに。「太陽を背にして戦う不利」にさっと気づく先ほどの描写とも合わせて、アムロがいかに戦いの天才かという描写になってる。
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カイ・シデンのこの描写もさすが。リュウは軍人なのにバトルセンスが圧倒的にない。対してカイはセイラから殴られるほどの「軟弱者」なのだが、堂々としているし、作戦の本質を理解している。 ハヤトとの比較もおもしろい。ハヤトはブリッジに連絡するのもうまくできず説明書をパラパラとめくっている。
と、ここまで見ていくと、ガンダムの今回の話の主旨が理解できる。決定能力とバトルセンスは別物ってことだ。
アムロやカイは自分で決定できない。だから、周囲の人の意見を真似するだけ。でも、実際に戦うとなると、センスがエグい。対して自分の意見で決定をするし、正しい判断を下せる(今こそ戦いにうってでるべき!)リュウやハヤトは、戦わせるとろくでもない。ホワイトベースが勝てたのは、能力は凸凹だが、そのデコボコがうまく働いたからだということがわかる。
例外はブライトで「決定能力もないしバトルセンスも別にない」。だから今回は「ブライト無能」がテーマになってる。ちなみにこの真逆がシャアで、進んでリスクを取るような思い切った決定能力もあるし、バトルでも最強っていう。つまりこちらは無能な大将 + 有能な味方 VS 有能な大将ってバトル描写になってる。
「ホワイトベースが勝った」と言ったが、勝ったのかどうか、実はそれもよくわからない結果にしてる。確かにパプアは撃破され、ガデムも死亡した。けれども、結局、ガデムの補給部隊の意地のおかげで、なんとか2台のザクと、武器、食料はシャアの部隊に渡った。これを阻止できなかった=ホワイトベース側の負けとも言える。
細かいことだが、ガンダムが登場したときのBGMがすんごい極悪なんだよな。だから、状況からして「アムロがんばれ」ではなくジオンに肩入れしたくなる。
作戦中無線を切るという大ポカをしたのに「悪ぃ」だけで済ませるリュウと「気をつけてくれよ」しか言わないブライト。それなのに、アムロに対しては「もっとうまくやれ」とキツい言い方。
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ガンタンク初登場。